3Dプリンターの関連用語

ビートくん

…う~ん、なんか難しい言葉だらけでわかんないな~

ドルくん

あれ、今日はビートくんが何か調べてるの?

ビートくん

あ、ドルくん!
もうすぐ3Dプリンターが届くから、使い方とかいろいろ調べてるんだけど、 難しい言葉がいっぱいで困ってるんだよ~

ドルくん

たしかに初めてだと聞きなれない言葉が多いかもしれないね。
けっこう英語も多いし。

ビートくん

そうそう!
ほかの3Dプリンターの説明書がwebに載ってたから見てみたんだけど、全部英語でさっぱりなんだ。

ドルくん

よし。
じゃあ今回は3Dプリンターを使い始める前に、よく使われてる用語について確認しよっか!

1.機材に関連する用語

3Dプリンターを構成している機材の名称や必要な備品についての解説です。説明書やほかの解説サイトでもしれっと出てくる単語なので、英語とセットで覚えちゃいましょう!

1-1.フィラメント

フィラメント(Filament)」は3Dプリンターの造形物の元となる材料です。

様々な種類があり、一般的に使われることが多く扱いやすい「PLA」、おもちゃの材質に使われている「ABS」、木の繊維が入った木材質になる「木質フィラメント」などがあります。

ビートくん

フィラメントにも種類があるんだね!

ドルくん

ほかにも触ると色が変わったり、ゴムみたいにグニャグニャしてるフィラメントがあるよ!

1-2.ホットエンド

ホットエンド(Hotend)」はフィラメントを溶かす装置のことで、ボールペンなどのペン先にあたるところです。

先端についているノズルの穴が小さいほど造形物の制度は上がります。

ドルくん

家庭用のものだとノズルの穴は0.4mmのものが使われてるよ。

ビートくん

そんなに小さいところからフィラメントが出てるの!?

ドルくん

0.2mmや0.3mmみたいにもっと小さいノズルもあるよ!
この穴の大きさが小さいほど造形物の精度が上がるんだ。

ビートくん

ホットエンドの中ではノズルが重要になってくるんだね!

1-3.エクストルーダー

エクストルーダ-」とは、フィラメントを動かす装置のことです。

歯車と滑車の間にフィラメントが挟まり、歯車が動くことでフィラメントが押し出されたり引っ張られたりします。

ドルくん

ここで引っ張ったフィラメントがエクストルーダーまで運ばれてフィラメントを溶かしているんだ。

ビートくん

だから勝手にフィラメントが動いてたんだね。

1-4.ビルドプレート

造形物がつくられる台のことです。

ビルドプレート(Build Platform)が大きいほど大きな造形物をつくることができ、一度にたくさんの造形物をつくることができます。

家庭用であればボックス型だと100mm*100mm、フレーム型だと200mm*200mmのサイズのものが一般的です。

ビートくん

ボックス型は箱の中にビルドプレートがないといけないから、小さくなっちゃうんだね。

ドルくん

逆にフレーム型はそういう縛りがないから大きいものをつくることができるよ。

1-5.ヒートベッド

ビルドプレートを温める装置のことで、ヒートベッドの裏側もしくは一体になってることが多いです。

ホットエンドからでてきたフィラメントがすぐ冷めてしまうと、ビルドプレートにくっつかないで取れてしまいます。

これを避けるためビルドプレートをある一定の温度で温めておく必要があります。

ビートくん

なんで冷めちゃうとビルドプレートにくっつかなくなっちゃうの?

ドルくん

「モノ」は冷めるとちっちゃくなっちゃうんだ。
だからくっつこうとしたときに小さくなると、はがれてしまうっていうワケなんだ。

ビートくん

なるほど~
だからあったかくしておけば小さくならずにくっついてくれるんだね。

2.動作に関連する用語

動作表現に関する用語です。一般的な機械と同じ意味合いで使われていることが多いです。

2-1.キャリブレーション(レベリング)

キャリブレーション(Calibration)とは、機械等のセットアップや調整のことを指します。

3Dプリンターでは、ホットエンドとビルドプレートの間隔を調整する「レベリング(Leveling)」という作業があり、キャリブレーションと同じ意味になります。

ビートくん

難しい言葉で何だろうと思ってたら、調整のことだったんだね。

ドルくん

このレベリングっていう作業は、造形物をちゃんとつくるために一番重要なことだよ。
しっかりやっておかないとうまく造形物をつくれないから注意してね。

2-2.出力

3Dプリンターでは、造形物を3Dプリントすることを「出力」という表現をします。

一般的に「出力」とは、パソコンから他の機械にデータを送り出すことを指すため、3Dプリンターでも同じ表現で使われています。

ビートくん

そういえば3Dプリンターのことを調べても「3Dプリント」っていう言い方してなかったかも。

ドルくん

機械関係だと全体的に、データをもらって動くことを出力っていうから覚えておこうね。

3.ソフトに関連する用語

3Dプリンターに関連するソフトやデータの形式についての解説です。主にソフトや造形物を3Dプリントする際に使われている用語です。

3-1.モデリングソフト

3Dモデルを作成するために必要なソフトのことを指し、大まかにわけて粘土をこねるようにしてつくるタイプと、数値を細かく決めながら規則的な形をつくる「CAD」と呼ばれるタイプの2種類があります。

粘土タイプでは「Blender(ブレンダー)」、CADタイプでは「Fusion360」が主に無料で使うことができ、幅広く使われています。

Blender(ブレンダー)公式サイト

「https://www.blender.org/」

つかってみる!

Autodesk fusion360 実際のソフト画面

「https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview」

つかってみる!

ビートくん

自分でつくってみたいけど、ちょっと難しそう…

ドルくん

ちょっとだけモデリングにチャレンジしてみたいなら「Tinkercad」っていうのがおすすめだよ。

Autodesk Tinkercad 実際のWeb画面

「https://www.tinkercad.com/」

つかってみる!

ドルくん

Fusion360と同じAutodeskっていう会社が出してるweb上で3Dモデルがつくれるソフトだよ。
お絵描きしたり、立方体から簡単に3Dモデルがつくれちゃうから、初めてでもすぐ3Dモデルがつくれるんだ!

ビートくん

面白そう~!
これならできそうかも?

3-2.スライサーソフト

汎用スライサーソフト「Ultimaker Cura」

3Dモデルを出力するには、3Dプリンターで読み込めるデータに変換する必要があり、この役割を担うのが「スライサーソフト」です。

このソフトは3Dモデルを輪切りにして、3Dプリンターでどのような形の層を重ねていくのか自動で決めてくれます。

ビートくん

3Dモデルをつくるソフトとは別で必要になるんだね。

ドルくん

設定とかが3Dプリンターによって違うから、買ったときについてくるソフトか買ったやつが対応してるソフトを使ってね。

3-3.STLデータ

STLデータはほぼすべてのモデリングソフト・スライサーソフト間で読み込めるデータ形式です。

ソフト間の3Dデータのやり取りをするためにこの形式にすることが多いです。

「STAG.B」で配布されている3Dデータもこの形式です。

ドルくん

最近は3Dモデルをつくれなくても、誰かから無料でもらうことができるからお手軽に手に入るよ。

ビートくん

みんながつくったものをシェアできて面白いね!

3-4.gcodeデータ

モデルを3Dプリンターで読み込みこんで出力できるようにした形式です。

3Dプリンターに限らず、工作機械の制御に使われていいます。

ビートくん

STLデータじゃなくてこっちのgcodeでみんなに配るじゃだめなの?

ドルくん

こっちの形式だともうモデリングソフトで読み込めなくなっちゃうし、3Dプリンターによって設定とかが違うから人からもらったやつだとうまく動かないんだ。

ビートくん

そっか~
だから3DモデルはSTLデータでみんなにあげる方がいいんだね。

3-5.積層ピッチ

1層あたりの厚さのことを指します。

家庭用であれば0.1mm~0.3mmの範囲で設定できます。

この数値が大きいと出力時間が短くなりますが、表面の粗さが目立ってしまいます。逆に数値が小さいと造形物の表面がきれいに仕上がりますが、その分時間がかかってしまいます。

あくまで表面のがたつき具合が小さくなるだけで、精度が良くなるわけではないことに注意してください。

題名:Owl statue
著者:cushwa ライセンス:CC BY 4.0
https://www.thingiverse.com/thing:18218(20200825)

ビートくん

たった0.2mmしか違わないのにこんなに見た目が変わるんだね!

ドルくん

0.1mmの方のフクロウさんは足のつめとか止まり木の切れ目もくっきり見えるね。

3-6.サポート材

宙に浮かんでいる部分を支えるためにつくられる柱のようなものです。

例えば、きのこのような造形物をつくるとします。

支えがないとかさの部分を造形しようとしたときにフィラメントは落ちてしまいます。

これを防ぐためにかさが乗っかるための支えを「サポート材」と言います。

ビートくん

これってくっついたままにならないの?

ドルくん

サポート材は造形物が完成した後、ニッパーで切り取る必要があるよ。
サポート材自体は中身がスカスカで取れやすくつくられるよ。

ビートくん

後でとれるなら安心だね。

まとめ

  • フィラメントがエクストルーダーによって押し出され、ホットエンドで溶かされながらビルドプレートの上に造形物がつくられる。
  • 3Dプリンターの調整のことを「キャリブレーション(レベリング)」、3Dプリントすることを「出力」と表現する。
  • 3Dプリンターを使うにはモデルをつくる「モデリングソフト」、3Dプリンターで読み込めるデータに変換する「スライサーソフト」の2種類が必要。

ドルくん

いろいろと知らない言葉が多かったかもしれないけど、なんとなくはわかったかな?

ビートくん

うん!
よくわからなかった言葉が知れて、また1つ3Dプリンターに詳しくなった気がするよ!

ドルくん

さて!
専門的に言葉もわかったことだし、いよいよ次は実際に3Dプリンターのキャリブレーションをするよ!

ビートくん

わ~い!
楽しみ~!

以上、3Dプリンター関連の用語についてざっくり解説してみました!

3Dプリンター関連のサイトではよく出てくる単語なのでぜひ覚えましょう!

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